SONIC DEATH について語ってみる
“TV Shit” に続いては “Sonic Death”。レーベルではなく、アルバムの方だ。
オリジナルのリリースは1984年、サーストンのレーベル”Ecstatic Peace!” からのリリースで、最初はカセットテープだったそうだ。自分が所有しているCDは “BLAST FIRST” からリリースされていて、現在は廃盤ゆえに入手困難。amazonでは1万円以上もの値がついている。
CDの盤面には”Sonic Death side1 & side2″ と書かれているだけ。カセットテープの side1とside2 がそのまま入っているということ。しかもCDでは約68分が1トラックだから泣けてくる。
最初これを聴いたときはかなり困惑した記憶がある。フェイドインで始まるのだが、なかなか聴こえてこないし、
“Daydream Nation” や “Goo” とは全然違う、なんだか怪しげな音が延々と鳴っているだけで、それこそいけない領域に入ってしまったという感じだった。
今思うとそれが今でもSYにはまってる理由でもあるのだが。昔、まだカセットテープが主体だった頃、何度も録音を繰り返したテープのA面(B面でも良い)の終わりには曲が終わった後に、以前録音されていた曲の残りが突如流れてくるなんてことは無かっただろうか?
“Sonic Death” はまさにそれに近いものがある。曲は断片ばかりが挿入され、突然別の曲が鳴る。ヴォーカルに入るところでフェイドアウトして別の曲が入ってくる。これがぶつ切りで適当に貼ってあるという感じ。 今のDJ達がきれいにつなげるのとは真逆の編集。「曲」を聴こうとすると当然ついていけなくなるのがこのCD。
このCDでは「曲」を聴くというよりも、ジャケットに “Early Sonic 1981-1983” と書かれているこの時期の「雰囲気」や「様子」を楽しむものだと思う。このCDに収録されている何曲かは、先ごろ再発された1st EP “SONIC YOUTH” のボーナストラックとしてフルに収録されているが、やはり”Sonic Death” の方が混沌とした雰囲気があって良い。
これが廃盤状態というのが実に残念。ゲフィンがこれをリリースしてくれればと思ったが、そういえばゲフィンとの契約って終わってるんだっけ?